♪ランランラン汽車と行く♪(大昔・誰かが歌っていた)

【月曜日編】



 野球の審判をやっていまして一番頭にくることは、外野の芝生に無神経で入って来ることです。先日もある河川敷で、ライトとレフト間を走っているランナーがいました。彼にとっては野球の邪魔にはならないと思っているようです。ところが私の目には、いらいらするのです。3回注意してやっと止めてくれました。彼は、おそらくどんな競技に出ても勝てないでしょう。「デリカシー」がないからです。周囲の状況が読めないスポーツ選手なのです。その典型的なスポーツが「野球」です。

 アウトカウントを忘れて何が何でも走り出す。3塁にいて、外野フライで充分タッチアップができるのに、その前に飛び出してしまい、打点の記録もパーにしてしまう。ランナー1、2塁、2アウト、サード正面のゴロ、3塁を踏めばアウト、あぁそれなの1塁へ暴投で2点献上。等々……。ランラン。

 すこし偉そうなことを書いてしまいました。が、これは大変に大切なことです。スポーツだけではありません。一般社会でも周囲の状況を気にすることが、皆さんもあるのではないでしょうか。私などは絶えず「気」にしておりません。野球の審判の時にだけ「気を使う」ようにしています。だから一般社会では私は「落後者」になってしまいました。「落語家」にも惹かれました。私の真似だけはしないで下さい。

【月曜日】朝6時に元気なく起床。メールのチェックを終え、7時5分に家を出ます。私は歩くことが大好きです。歩きながらいろいろ考えごとをするのが大好きです。楽しいのです。「今日は会社を5時に退社するのにはどうしたらいいのか?」、「早く家に帰ったらなにをどうしようか?」、「HPの小沢先生が気になります?」「横浜ピースの坂本投手のお見舞い、いつ行こうか?」と色々考えながら駅に向います。「人間は考えて歩く足です」。
 
 小田急線は独身時代を含めまして35年近く乗っています。東京の私鉄では1、2を争う混雑ぶりです。おまけに運賃が高いときています。朝のラッシュ時にロマンスカーを30分間隔で走らせたり、急行とは名ばかりで登戸を過ぎると、首都高速の用賀料金所のノロノロ運転と同じになります。日本一サービスの悪い私鉄です。それに朝のラッシュ時にもかかわらず急行が止まらない駅のホームには駅員が見当たりません。という「不安全対策ナンバーワン」の私鉄です。

 私は鶴川駅からカクエキ電車に乗って、そのまま南新宿駅まで行きます。約1時間の乗車時間ですが、ほぼ9割の確率で登戸駅で座ることができます。
 ここで皆さんに満員電車の中で、いかにして座ることができるかの秘密を伝授いたします。その1、絶対に席を立たない人の顔をシッカリ覚えること。その2、ポッカリ空いている人の前には行かないこと。その3、イヤホンを使用している学生の前には立たないこと。その4、キョロキョロする人ほどすぐには降りない。その5、乗車する前に好いポジションを取ること。その6、目的の駅で座れない時のことを考え、3つ先の駅までの降りる人の顔もしっかり覚えておくこと。

 こんなことを書かせる小田急線に35年も乗っているのです。

(つづく)

【次回は火曜日】
2000年10月