【5】青春は「感動」の繰り返し
作  臼井 淳一
挿絵 金光 敏博


 初めて北アルプスの表銀座を歩いたのは、二十歳のときです。「日本にこんな素晴らしい景色」があるのかと感動しました。山々の名前をいちいち挙げていたのでは、キリがありませんが、特に「蝶ガ岳」が蝶のように雪が残っているのには今でもはっきり覚えています。
 下山してお百姓さんに聞いた話しですが、「蝶の残雪を見て農作業を進める」というお話には、また感動してしまいました。
 青春は「感動」の繰り返しです。


きりえ「槍ヶ岳遠望 」[燕岳−常念岳−蝶ガ岳縦走路より]


 山歩きを二日以上やっていますと、不思議なことに「どんな女性でも美人に見える」といわれます。ある大学の女性山岳部と出会いました。10名程のパーティーでしたが、それはまぶしく眼が「くらくら」してしまいした。彼女達に「オッス!」と挨拶されて始めて現実に戻りました。
 青春は「傷つき」やすいのです。

 山の歌で一番好きなのは「長野県歌」です(♪信濃の国は…♪そびえる山はいや高く、御岳、乗鞍、駒ケ岳…♪)です。
 ところで「横浜市歌」もあるのです(♪わがしのもとは島国よ…♪あらゆる国より船こそきたり…♪)。
 青春は「お国自慢」の歌声なり。古いかなァ…。
                        

[2001年7月]



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