【6】青春は反省の繰り返し
作  臼井 淳一
挿絵 金光 敏博


 台風の日に魚野川(信濃川支流)上流の民宿に泊りました。「ドスン ドスン」という音で一晩中眠れませんでした。
 「ドスンドスン」という音は、大石が川底に当たる音です。民宿もグラグラするのです。民宿が川に落ちるのではないかと、宿の主人に聞きますと「いやー。そんなことねえ。それより明日の朝もっと面白いもの見えるから」と言われて安心しました。

 朝、川原に行ってみると、なんと10メートル以上の木が立ったまま流れているではないか。それも1本や2本ではない、こんなにたくさんの木が流れてしまうと、山の木が無くなってしまうのではないかと、心配するほどの木が流れています。それも立ったままです。「自然の力」を目の当たりにして、つくづく人間なんて「ちっぽけ」だと思いました。


きりえ「山を想えば」

 「日本は高温、多湿、台風など雨量が多いいので、植林しなくても30年で木が育ち、ほっておくと100年で密林ができる。ヨーロッパではできない」(100年前のドイツ宣教師の話し)。現在、日本の自然破壊もすごいいきおいで進められていますが、守ろうと思えば「環境」がいいですから、今のうちなら間に合うのです。山を完全に削り取るようなバカなことは止めてください。川底をコンクリートで固めるなんて、お金の無駄使いも止めてください。

 あぁ、それにしましても「山」にゴミを捨ててきましたね。反省しております。
 青春は反省の繰り返しなり。
                        

[2001年8月]



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