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【16】豪雪に思う
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秋山郷にあります200年続いた温泉宿・仁成館が昨年からの豪雪で潰されそうです。「このままだと修繕費に300万円もかかり、今後の経営を断念するしかない」。と朝日新聞にご主人のお話が載っていました。 「ヒュッテひだまり」のご主人も、テレビで除雪作業の先頭に立っていました。雪による「ヒュッテひだまり」の損傷も激しく、例年は1月もお客さんが来るそうですが、今年は津南からの道路が雪で埋まる日が多く、さらに雪崩の危険もあり、お客さんも行けない状態だそうです。 私が初めて「秋山郷」を訪れたのは35年前の5月でした。この頃、道路は舗装されておらず、そのため一冬の雪で道路がガタガタになったそうです。 余談ですが、秋山郷を紹介してくれた知人が「離農した農家を買わないか。雪下ろしはやってくれる」と話をもってきました。 それにいたしましても今年の冬は異常です。豪雪地帯の村・集落が無くなる恐れが出てきました。65歳以上の人が住む村・集落が圧倒的に多いというのも異常だと思います。 世田谷区の人口約80万人。そのうち高校・大学生がなんと25万人です。世田谷の人口比も異常ですが、都会への人口の流失・集中が永年続く中で、僻地といわれる村・集落そのものが無くなりつつあります。 話を秋山郷にもどします。日本の山々の登山道の多くは、信仰登山などにより作られました。その後の登山道の修復・新道は、山の麓(ふもと)に住む人々の手によって行なわれました。また、山小屋の主(あるじ)、登山者によっても作られ、守られてきました。 今後、日本の山々の登山道が、さらなる過疎化にともない、村・集落が無くなることにより整備が行き届かないことが心配されます。 [2006年2月1日] |