スポーツに吹く風
スポーツジャーナリスト 泉 准也


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 ■3 CS制でどうなるプロ野球

 「CS(クライマックスシリーズ)制度はよくない。リーグ優勝は何の意味もない。だれがどうしたか知らねぇが、こんなくだらん制度を作って」
 巨人の渡辺恒雄球団会長がセ・リーグCS終了の翌日、大勢の報道陣を前に、こうまくし立てた。
 五年ぶりにリーグ優勝した巨人が中日にあっさりと三連敗。日本シリーズに駒を進められなかったことがよほど頭にきたらしい。
 その矛先は原監督やフロント批判にまで及んだが、とにかく今季から導入されたCS制が納得できない様子。「おれがオーナーの時は絶対に反対した」
 スポーツ紙なども同会長の暴走に「大権力者の傍若無人の発言」などと報じたが、一九五〇年から始まった日本シリーズに、セ・リーグ優勝チーム以外から出場するのは初めてのこと。球界内にも「しっくりこない」「アジアシリーズもあるし選手は肉体的にも大変だ」「いやなかなかの盛り上がり、良かったよ」と賛否両論ある。  
 何しろセ・リーグ二位の中日が日本シリーズへ。こういう可能性があることは分かっていたが、いざ現実になると違和感が残るのも確か。中日も喜びを抑え気味で胴上げもなし。巨人はリーグ優勝の感激も吹き飛んでしまった。この制度では、リーグ優勝と日本一の価値はどちらが上か。
 日本シリーズではその中日が日本ハムに勝って、五十三年ぶりに日本一となった。これによってセ・リーグには優勝チームが二つ存在することになった。しかし、中日はアジアシリーズも制してアジアの頂点に立ったので、いよいよ巨人の影は薄くなった。
 「待機期間が長く、試合勘が狂う」などの指摘もあって、昔の「二シーズン制に戻したら」と言う声もある。
 「試み」で始まったCSだが、今後の改革は必至だ。さて皆さんのご意見は?

(「損保のなかま」2007年12月1日付より)


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