スポーツに吹く風
スポーツジャーナリスト 泉 准也


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 ■4 続く大学スポーツの不祥事

 ラグビーの全国大学選手権で早稲田大、明治大に次ぐ優勝六度を誇り、今季は二連覇をめざしていた強豪、関東学院大の部員二人が寮の自室で大麻を栽培し、大麻取締法違反容疑で逮捕された。
 後日、他の部員十二人も大麻を吸引していたことが判明し、書類送検された。

 同大学ラグビー部は当初、「〇八年三月まで対外試合自粛」と「春口広監督の三カ月間指導自粛」などの処分を発表していたが、改めて春口監督の辞任と三月末までの同部の活動停止を決めた。部員への調査次第では廃部の可能性もあると報道されている。
 「ラグビーは人づくり」と言い、熱血指導でラグビー部を育ててきた春口監督のショックは大きかったろう。

 学生たちの自覚や社会性のなさは目を覆わんばかりだ。
 大学ラグビーでは〇七年五月の同志社大の部員三人がわいせつ目的略取未遂の疑いで逮捕された。
 〇六年十月には日本大のサッカーとラグビー部員六十一人が定期券を不正に購入し使用していたことが発覚した。
 他の競技でも〇六年一月、京都大アメリカンフットボール部の元部員三人が女子学生を集団暴行。数年前には国士舘大のサッカー部員十五人が集団わいせつ事件で逮捕されている。
 いずれも名門チームで、それぞれ活動停止や降格などに追い込まれているが、大学側の反省や再発防止策などが他大学での指導などに生かされていないのが現実だ。

 不祥事を起こさないためには、どうすればよいのだろうか。
 まずは環境の整備が求められる。その一つが学生寮のあり方の見直しが必要だ。
 さらには、生活指導担当のスタッフやコーチを増やし、普段から「規範意識」の徹底を図ることだろう。


(「損保のなかま」2008年1月1日付より)


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