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最近、少年野球で右投げ左打ちの選手が急増しているらしい。それは一塁ベースとの距離が近いから、ということに尽きるからだろう。 センスがあり利き腕が右の子どもに対し、指導者が左打ちを勧めるケースが目立っている。その結果、右利きなのに左打ちの選手が増えた。 その傾向はプロの世界でも一目りょう然。メジャーで活躍するイチロー、松井秀喜、今季メジャー入りした福留孝介らをはじめ、高橋由伸、小笠原道大、阿部慎之介、金本知憲などが「右投げ左打ち」。 しかし、そうした選手を専門家たちは決してホームランバッターとは言わない。それはイチローもしかり、松井秀喜もメジャーでは思うようにホームランを打てていない。それらを考え併せると、「右投左打」からは真のホームランバッターは生まれにくいのではないか。 日本の通算ホームラン記録上位から、王貞治、野村克也、門田博光、山本浩二、清原和博、落合博満、張本勲、衣笠祥雄と、五百本以上を打っているバッターに「右投げ左打ち」はゼロ。田淵幸一、秋山幸二ら四百本塁打に広げてもやはりゼロ。 これはメジャーでも同じことで、バリー・ボンズ、ハンク・アーロン、ベーブ・ルースらトップテンまでは「右投げ右打ち」「左投げ左打ち」の選手ばかりだ。 昨年、日本の本塁打王はセが村田修一、パは山崎武司と、「右投げ右打ち」の豪快なバッターが獲得した。 いまスポーツ紙をにぎわせている「怪物ルーキー」中田翔も「右投げ右打ち」の豪快なフルスイングが売り。ファンに夢を与える豪快なホームランバッターが、改めて期待されている。 |
(「損保のなかま」2008年4月1日付より)
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