全米女子プロゴルフ協会(LPGA)はこのほど、外国人選手を対象に英会話力テストを実施し、意思伝達能力が十分ではないと判断した選手を、ツアーから排除する方針を決めた。
背景には全米ツアーで活躍する外国人選手が増えていることが指摘される。
現在、ツアーに参加している外国人選手は日本人を含め二十六カ国百二十一人で、全体の四分の一を占める。なかでも強豪が多い韓国人選手は四十一人。この結果、賞金ランキング上位十人のうち、韓国などアジア勢が五人で、米国選手はわずか二人という状況だ。
韓国選手ら一部のアジア系選手は優勝しても英語によるスピーチができない、スポンサー関係者とのコミュニケーションができない。そのうえ、テレビ中継の視聴率は振るわず、ギャラリーも減少……。景気の後退に加え、これらの不満が積み重なって、撤退を示唆するスポンサーもあった。
つまり、今回の決断はスポンサー離れを食い止める「非常手段」と受け止めることができる。
LPGAの決定に対して在米韓国人団体や人権擁護団体などが反発。「人種差別ではないか」と集団訴訟の構えをみせている。(その後、LPGAは決定を取消した)
今年六月の全米女子オープンで朴仁姫(パク・インヒ)、メジャー最終戦の全英女子オープンで申(シン)ジエ、九月の日本女子プロ選手権では辛(シン)ヒョンジュが優勝した。いずれも韓国人選手である。
今回の事件は日本にとって「対岸の火事」ではすまない。全米ツアーを排除された選手たちが日本の女子ツアーに参戦する可能性は高い。そのとき、日本の女子ゴルフはどう出るのか。
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