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 ■2 魅力を失わせたのはだれ?

 千葉ロッテマリーンズが制した今年の日本シリーズは、阪神タイガースの不甲斐ない試合ぶりもあって魅力の乏しい内容となった。だが、その原因をつくったのはだれか。

 まず、パ・リーグのプレーオフ制が日本シリーズの魅力を減じた。
 大リーグのプレーオフ制には、広大な米大陸に二リーグ三十チームが分散しているという根拠がある。しかし、日本では今シーズン一位のソフトバンク、四・五ゲーム差で二位のロッテ、勝率五割以下の三位西武がプレーオフで戦うというのだから、ペナントレースの価値など吹っ飛んでしまった印象だ。   パ・リーグのオーナーたちには、プレーオフで少しでも興行収入が増えればという打算しかないのだろう。セ・リーグはプレーオフ制を採用していないのだから、真の日本シリーズではない。エキジビションゲームとみるのが妥当だ。

 タイガースとしてはパ・リーグ実質優勝チームのソフトバンクと対戦したかったのに違いない。
 阪神タイガースが日本シリーズを前にはげしく動揺したことも大きい。親会社・阪神電鉄の株を村上世彰氏率いる村上ファンドが大量に買い占め、球団株の上場を言いだしたからだ。

 マネーゲームの勝ち組ともてはやされる人たちは株主主権的な金もうけにしか関心がない。そういう人たちがプロ野球界にかかわることは、けっして望ましいこととは言えない。
 第一、大事な日本シリーズを控えた時期に親会社に揺さぶりをかけるような人が、「阪神ファン」というのもまゆつばものだ。
 シリーズを前にタイガースナインが不安な思いを抱いても当然の状態だった。

(「損保のなかま」2005年12月1日付より)


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