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 ■4 国威発揚に警戒の年

 二〇〇六年は国際的なスポーツイベントが目白押しだ。
 列挙すると、二月トリノ冬季オリンピック、三月ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、六月サッカーワールドカップドイツ大会、十二月アジア大会(ドーハ)などだ。

 すでにメディアによる「がんばれニッポン!」の盛り上げ報道が目立つ。今後、「日の丸・君が代」をナショナルシンボルとする国威発揚のあらしが日本列島に吹きまくるに違いない。小泉政権は国威発揚による「国民の一体化」を、憲法改正の追い風として最大限利用するだろう。

 日本の選手を応援するのはよいとして、その勝ち負けにだけ関心を寄せ、外国の選手たちの奮闘を無視してしまってはなるまい。
 言い換えれば、国際大会だからこそナショナリズムではなく、インターナショナリズムの視点から選手たちの活躍を応援するべきなのだ。
 ナショナリズムのあらしに抗するため、原爆詩人・栗原貞子の作品「旗」の一節を心に刻み付けておきたい。
 
 日の丸の赤は
 じんみんの血
 白地の白は 
 じんみんの骨
 いくさのたびに
 骨と血の旗を押し立てて
 他国の女や子どもまで血を流させ 
 骨にしたいくさが終わると
 平和の旗になり
 オリンピックにも
 アジア大会にも
 高く掲げられ
 競技に優勝するたびに
 君が代が吹奏される
 千万の血を吸い
 千万の骨をさらした
 犯罪の旗が
 おくめんもなく
 ひるがえっている


(「損保のなかま」2006年2月1日付より)


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