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日本代表が国内で試合をする際、川淵氏の発案によって有名歌手が「君が代」を独唱するようになったのは九年前だ。今や恒例のようになっている。 氏の発想は日本の植民地支配や侵略戦争の象徴でもあった「君が代」の歴史を無視している。「子どもたちが歌いたいという話があったので、晴れの舞台を与えることにした」と川淵氏はいう。 だが、今学校ではどんなことが起きているのか、氏は知らないのだろうか。 各地の公立学校では「日の丸・君が代」強制がきびしく行われていて、それに反対する行動をとったり、歴史的な意味を教えようとする教師は処分される。したがって、ほとんどの小学生はその意味もわからず、「君が代」を強制的に歌わされているというのが実情だ。 その現実を無視して、「歌いたいというから晴れの舞台を与える」というのは、暴論だろう。 国威発揚のための政治的舞台を「晴れの舞台」と意味付け、そこに小学生を登場させることでより高い効果をあげるというのが、川淵氏のねらいだ。 そのもくろみは、「愛国心」を育むことなどに重点を置いた教育基本法改悪へと進む、小泉政権の動きと連動する恐れがある。 「君が代」を歌う子どもたちは四月から公募し、抽選で決めるようだ。このたくらみに断固反対する。 |
(「損保のなかま」2006年5月1日付より)
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