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 ■8 五輪招致反対の正当性

 五輪のようなビッグイベントを開催するとなれば、巨大なハコモノや大規模な道路建設などに膨大な資金が投じられ、その負担は結局、開催地の住民が背負うことになる。
 そのことを知っている福岡市の住民は二〇一六年夏季五輪招致に市が名乗りをあげたことに反対している。
 「いらんばい!福岡オリンピック」などいくつかの市民団体は、五輪招致をめざす山崎広太郎市長の独断専行を阻止しようと反対運動を拡大させている。

 市民団体のメンバーの女性は語る。「市長の狙いが(主要会場の建設が予定される)須崎ふ頭の開発にあるのは明らかです。市長選挙に向けたアピールとも考えているのでしょう。五輪招致を口実に大規模な開発が行われれば、市の財政はまちがいなく今よりいっそう悪化し、そのつけは住民に回ってきます」 

 福岡市民の反対運動が広がれば日本オリンピック委員会(JOC)も無視できないだろう。ただ、肝心なのは無駄な金を使わせないために一刻も早く市長の手をおろさせることだ。
 福岡のメディアは五輪招致の競争相手である東京都が圧倒的に有利なことはあまり報道していないらしい。JOCの理事からは「東京でしょうがないだろう。福岡では世界の大都市には勝てないのだから」という声しか聞えてこない。

 一方、東京都の石原慎太郎都知事はJOC理事の森喜朗前首相と結び、国策としての五輪招致を考えているとみられる。
 都議会の五輪招致決議(三月)に一部の政党と議員が反対したが、広範な都民が立ち上がって、反対運動を進めていく必要があるのではないか。

(「損保のなかま」2006年6月1日付より)


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