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安倍晋三首相は著書「美しい国へ」(文春新書)で、こう断定している。 また、野球の国別対抗WBCで優勝監督となった王貞治氏の次のような言葉も引用している。 「みんなで日の丸を背負って戦って最高の結果を出せた。日本の野球のすごさをわかってもらえたんですから、監督としてこんなうれしいことはない」 これらの記述から見て、安倍首相はスポーツを愛国心養成と直結させようと考えているのは間違いない。 さらに教育基本法改悪によって、愛国心教育による国民精神の統合をはかろうともたくらんでいるのだ。 政府が提出した教育基本法改悪案の第二条(教育の目標)五項はこう規定している。「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」 この愛国心条項を先取りしてそっくり取り込んでいるのが、文部科学省の「スポーツ振興基本計画」(〇六年九月改定)だ。 「我が国固有の文化に触れるための武道の指導は、伝統や文化を尊重する態度を養うとともに、自分を律し、相手を尊重するなど人間性を培う上で有効であり…」 安倍首相の国家主義に基づく政策推進の過程で、スポーツが悪用される危険性は今後極めて高いと見なければなるまい。 |
(「損保のなかま」2007年1月1日付より)
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