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そんなところに石川クンが突如として現れ、プロを破って優勝してしまった。メディアはさっそく石川クンに飛びつき、「ハニカミ王子」の愛称をつけて、あっと言う間にスターに仕上げてしまった。 視聴率稼ぎのためならなんでもやってしまうどん欲さをさらけだしたTBSは、プレーしている石川クンの生の声を盗聴しようとしたり、空撮用ヘリまで飛ばし、ごうごうたる批判を浴びた。 フジテレビは七月はじめの日本アマチュアゴルフ選手権で石川クンが決勝に残れば、その中継をプロ野球・巨人対ヤクルト戦に食い込んでも優先するという力の入れようだった。アマゴルフ界にしても「ハニカミ王子」人気は大歓迎でギャラリーの殺到に笑いが止まらないだろう。 日替わりでも構わないからスターをつくれ、というのがメディアでは至上命令とされている。そこに登場したのが斎藤佑樹投手や石川クンというわけだ。 社会的な問題にまでなっている高校野球の特待生制度にしても、私立高校の経営者たちは自校が甲子園で活躍すれば一気に知名度を上げられると考えており、有力選手獲得の必要から制度を存続させるべきだと強硬な姿勢である。 利益追求を最優先し、高校教育の大切さを無視する大人たちによって、高校生が食い物にされているのは確かだ。 |
(「損保のなかま」2007年8月1日付より)
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