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 ■23 人気低迷はオーナーらの自業自得

 プロ野球の危機的状態は、オールスター戦にもくっきりと表れた。冠スポンサーをつけることで、どれほどオールスター戦の権威をおとしめたかということを球界首脳たちは、まったく認識していない。
 しかも、実力とは関係なく、自己中心的に選手を選ぶファンのいい加減さもあって、今やオールスター戦は、「夢の球宴」どころか、質の低いイベントに成り下がった。誇りと権威を維持し続ける米大リーグのオールスター戦でMVPを獲得したイチロー選手の活躍ぶりを見せつけられると、余計に日本のオールスター戦はみすぼらしさだけが目立った。

 大リーグに人気を奪われていると思っている球団オーナーたちは、NHKの大リーグ中継に文句を付けるありさまで、あまりにも情けない。
 オリックス・宮内オーナーの怒りの声。「日本のプロ野球は苦労して選手を育ててきたのに、メジャー数名の選手ばかりを取り上げるのは極めて異常で不愉快だ。公共放送なんだから。イチローはうちから出た選手だけど一打席から流しっ放しはいかがなものか。ニュース性はあるのか」 たしかに、「大リーグ中継はNHK・BS」という大宣伝ぶりや、大リーグ試合そのものではなく日本人選手の活躍ぶりに焦点を当てた中継、ニュース番組での報道など、問題は大いにある。

 しかし、NHKに文句を言う前に、プロ野球人気の下落について、オーナーたちは厳しく自己批判、自己反省する必要があるのではないか。
 プレーオフ制一つとってもペナントレースへの興味を半減させるものでしかない。
 自分たちが自らの首を絞めていることを、オーナーたちはしっかりと認識すべきだ。

(「損保のなかま」2007年9月1日付より)


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